会長挨拶

このたび、第54回制癌剤適応研究会を2021年3月19日(金)に鎌倉プリンスホテル(鎌倉市)で開催する運びとなりました。この歴史と伝統のある本会を私どもの教室でお世話させていただくことは、横浜市立大学消化器・腫瘍外科にとりまして大変光栄なことと存じます。このような大役を与えていただきました小寺会長をはじめ、これまで本研究会を盛り上げてこられた諸先輩方に心より感謝申し上げます。
 癌の集学的治療の中で制癌剤は確固たる地位を保っており、その投与経路・投与タイミング・他の制癌治療との組み合わせなどによって、より高い治療効果を求める努力を積み重ねてきました。また近年では癌の遺伝子変異や分子レベルでの解析結果が明らかになり、分子標的治療薬の開発が進み、さらには微小環境における免疫応答の研究成果として免疫チェックポイント阻害薬が出現しました。このように治療の選択肢が広がる中、治療対象となる患者さんへの最適な治療を見極めるバイオマーカーの開発・検証も求められてきています。そのような状況を踏まえまして、今回のテーマは「癌治療のブレイクスルーを求めて」とさせていただきました。新規薬剤はもちろんですが、既存の治療薬の組み合わせによる治療効果の改善や、新規バイオマーカーについて、さらには保険適応となった遺伝子パネルを用いた治療薬選択のご経験など、症例数は少なくとも、新たな癌治療のブレイクスルーを垣間見ることのできる演題をご発表いただきたいと期待しております。
 鎌倉プリンスホテルがある七里ガ浜は湘南の中心地であり、会場からは眼下に広がる駿河湾と富士山の美しい眺めを堪能することができます。また、近隣の江ノ島温泉は鎌倉時代以来の歴史をもつ、知る人ぞ知る名泉であります。活発な議論の合間にぜひ楽しんでいただけたらと思います。
 教室員一同、皆様にご満足いただける会にできるよう精一杯努力する所存でございます。全国より多くの先生方にご参加いただきますよう心よりお待ち申し上げます。

第54回制癌剤適応研究会

当番世話人 遠藤 格

(横浜市立大学 消化器・腫瘍外科学)